広告観察ワークショップのご紹介
豊島区男女平等推進センターで、2部からなる講座を実施いたしました。多くの場合は、こちらから一方的に講座でお話をして、終了後に質疑応答、アンケート回答を頂くことが多いのですが、広告観察のワークショップを第2部で行い、参加者の皆さんと話し合いながら進めることができました。第1部の講座受講者の(第2部のみの参加者の方もおられました)の有志の方に、街中やインターネット上で見かけた広告の画像とその広告についてのコメントをセンターの方に事前にメールで送っていただきました。

講座の案内
ホワイトボード上に展開される広告観察
第2部の講座の開始前に、センターの方に、送っていただいた写真を出力して、ホワイトボード上に並べていただきました。ワークショップでは、広告のイメージ(動画広告の静止画像含む)を、参加者の方に見てもらい、気になった広告から受けた印象、コメントを付箋に書いて貼ってもらいました。広告の内容を十分に把握した上でのコメントというよりも、ぱっと見の印象や、思ったこと、モヤモヤすることなどさまざまな言葉が集まりました。

二枚のホワイトボードのうちの1つ
20人弱の参加者がありましたが、第1部に参加していた人が多かったとはいえ、ほぼ初対面の状態で、同じイメージを見ながら書いていく過程で、次第に場が和み、会話が生まれていくようになりました。
怪獣 VS
ワークショップで取り上げられたいくつかの広告と、それらに対するコメントをご紹介します。「街の景色を背景に怪獣と対峙する巨大な女性、手には布団たたきと大根を持って対決姿勢を示している」シーンです。コメントには、「家で使う道具で戦う 勇ましいけど主婦のイメージ」「女性を立てているようでおとしめているような」とありました。

オープンハウスのCMで、「家が、家族を強くする」というキャッチコピーで家を守るために怪獣と対決する母・妻役の奥貫薫を、三者面談中の夫、娘、担任教師が見守るというプロット。最初は怪獣相手に懇願しつつ、最後に「このヤロー」と勇ましく挑むのですが、布団たたきと大根で「家事は女性の役目」ということを暗に示唆しているようでもあります。
一方、夫・父親役の堺雅人が怪獣と対峙する時には、スーツ姿で「理不尽なクレームに対応する会社員」として懇願し、最後に「コノヤロー」となる展開です。家族の夢が詰まっている土地を夫婦それぞれが守る姿勢を表現しつつ、性別役割分業が強固に保持されています。
不登校に悩む「ママ」

子どもの教育関係の広告で最近とみに目につくのが不登校の子どもを持つ親を対象にするセミナーやカウンセリングなどの広告です。付箋には「お父さんは?」「母親一択?」と父親不在、ケア役割を母親に丸投げすることに対するコメントが寄せられました。この広告を送ってくださった方のコメントをワークショップの中で紹介しました。不登校関連だけではなく、塾選びも母親の役割という前提の広告が多いです。

広告を送ってくださった方のコメント入りスライド
送っていただいた広告ではありませんが、塾広告で母親二人を演じるお笑いコンビかが屋のCMもこのような広告に関連づけられるものと言えるでしょう。
バスが、好きなんだ

右側の東武バスの求人広告。女性と男性のイラストで、「わたし バスが、好きなんだ」「ぼく バスが、好きなんだ」付箋のコメントでは、「おれも好き」「バスの何が好きなの?」「鼓舞してるの?」と意図を問うものがありました。この広告を送ってくださった方の分析・解釈が興味深かったです。

ご紹介した広告はごく一部ですが、それぞれのコメントから話題が広がりました。このような対話が広がるのが対面のワークショップの良いところだと思います。また機会があったら実施したいと思っています。企業研修などでも展開できそうです。
お知らせ
小島慶子さんとの対談が日経Womenで公開されました。
11月15日に新潟市男女共同参画推進センター「アルザにいがた」で講演会があります。申し込みが10月21日(水曜)までとなっています。パネル展示も併せて開催されます。
「さらばのこの本ダレが書いとんねん」の出演回が、9月29日に公開されます。

天候不順で、インフルエンザも流行し始めているようです。皆様どうぞご自愛ください。
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